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川の向こう側へ

 再びチミンダインの船着き場を訪れる。
 このときは、川の向こうへ行くつもりでやってきた。
 でも、この場に立ってしまうと、また怖気づいてしまう自分がいる。 
 旅人であるかつての私であったら、あのときあれをしないで、あとになって後悔したくない、という気持ちでどんどん突き進んでいたけれど、今の自分は、またいつか行けるだろう、みたいな気持ちで何もかも後回しにしてしまって、そんな今の自分が嫌でもあった。
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 やがて、生きた鶏をたくさん積み込んだ人が船に乗船して、思った以上に船に近寄っていたら、後ろからきた若者が「あなたも乗船されますか?」というので、もうその勢いで乗船してしまった。
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 そして、船がどんどん見なれた船着き場を離れていく。
 船の上から見る風景は、川岸から見ていた風景と違って、新鮮だ。
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 たくさんの鶏を運んだ女性が、足元の鶏たちに水を与えるたび体を震わせ、水しぶきが私のズボンにかかってくる。
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 そんな鶏たちを気にしていると、いつの間にか対岸が近づいていた。
 川沿いに高床式の家屋が並んでいる。
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 そして、どこかも分からない対岸にたどり着いた。
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 船着き場から続く一本道は狭くガタゴトで、車は走っていない。バラック小屋のような開放的な家屋から人々の暮らしが垣間見え、誰もが私を不思議そうに見つめる。
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 この光景は2001年にはじめてミャンマーを訪問したチャイトンの光景とどこか似ている。
 はじめてミャンマーを訪れる不安と、好奇心。あまり外国人が訪問しない町で、物珍しそうに私を見つめる人々。
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 あの時の光景と私の気持ちが、15年の時を超え、ヤンゴンの対岸の村でフラッシュバックした。



by htway | 2016-12-17 13:29 | 暮らし
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